元ネタはLMnetから。

 入院証明書についてひとネタ。東京新聞より。

診断書を電子化へ 生保協、不払い対策で導入
2007年11月17日 朝刊
 生命保険協会は十六日、日本医師会と、保険金を支払う際に利用する診断書を電子化することで合意したと発表した。手書きの診断書は、記載漏れがあったり保険会社が誤読したりして保険金の不払いにつながっていたため、生保協が医師会に導入を求めていた。
 生保系のシステム会社などがパソコンで診断書をつくるためのソフトを開発し、生保協が様式をチェックして認定。医師会を通じて病院に配布する。二年後に千の病院での導入を目指す。医療機関側の導入コストは病床百前後の病院で百四十万円程度。生保協は一部を補助する方針。日本損害保険協会にも呼び掛け、損保各社の参加も促す。
 診断書は、保険会社が死亡保障や医療保険などの契約者に支払う保険金を計算するための資料で、医師が病名や治療内容などを記載。これまでは医師の手書きで記載漏れがあったり、独自の記号で書かれるなどしていたため、不払いにつながったケースがあった。

 以前にも取りあげた、医師会との合意ネタ。生命保険協会のページから、いろいろ資料をあさってみる。
 まずこれ。
お客さまへ 適切な保険金等の支払いを確保するために
 ここで協会がいいわけをしている。

5.診断書の標準化・電子化  
  お支払いが不足していたケースの原因分析を行った結果、診断書の読み間違いや読み落としなど、診断書に起因するものが数多くあったことから、当協会では、再発防止策に向けた取組みの一環として、診断書の標準化・電子化について検討を重ねております。  
  標準化につきましては、医師の方々にとっての記入のしやすさを確保しつつ、生命保険各社にとっての見落とし・見間違いの防止を図る観点から、診断書様式作成にあたっての留意事項を取り纏めました。
診断書様式作成にあたってのガイドライン
インフォメーション  診断書の機械印字化ソフト認定について )  
  電子化につきましては、保険金等のお支払いに関するインフラ整備を図るべく、当協会では、診断書の電子化ソフトの医療機関への普及を図るための検討を進めております。現在、電子化ソフトを開発・保守していただくシステムベンダーの公募を行っており、今後、選定したベンダーの電子化ソフトを協会として認定し、当協会及び生命保険各社は認定された各ソフトの医療機関への迅速な普及に向けて支援を行ってまいります。

 ファイルについている日付が10月9日だから、まだ具体的にソフトが決まっていないってことになっている。んだから、ソフトのガイドラインであるとか、認定ソフトの公募なんてことが記してある。
 じゃあ、ガイドラインってどんなものなのか、医師のチェックもあるのか。ガイドラインを見てみると、

3. 医師に対するヒアリング
(1) ヒアリング内容
H19.8〜9 に4 つの総合病院の医師に対し、診断書の記載に関するヒアリングを実施した。ヒアリング対象となった総合病院は、A 病院は所在地大阪府、病床数約350 床、回答した医師の専門は外科循環器内科神経内科がそれぞれ1名、B 病院は京都府、700 床、内分泌糖尿病科整形外科がそれぞれ1名、C 病院は京都府、680 床、消化器科が1名、D 病院は千葉県、930 床、外科消化器内科神経系内科がそれぞれ1名であった。

 えーと、診断書様式作成という重要事項に対して、4病院、たったの9名の医師に対してだけヒアリングを行っている。
 で、ソフト認定はどーなったんだ、って話になる。

1.概要
(1)趣旨
保険金等の支払いが不足していたケース等の発生原因を踏まえ、保険金等の適切な支払管理態勢の確立に向けて、各社共通の課題解決に資する再発防止取組みを実施する。
その具体策として、支払いが不足していたケースの大部分が、保険会社による診断書の誤読や読み落としなど、診断書に起因するものであったことから、診断書の機械印字化を促進し、支払いに関するインフラを整備する。
また、診断書の機械印字化ソフトの普及は、診断書作成を行う医師の業務効率化にも大きなサポートとなる。
なお、上記診断書の機械印字化ソフトの普及には、業界全体としての取組みが必須であると考えられることから、別に定める一定の基準を満たすソフトについては、当協会が認定を行い(認定ソフトについては当協会HP等にて公開)、業界としての普及促進活動 (医療機関の紹介や認定を受けたソフトの購入医療機関に対する導入インセンティブの付与:検討中) の枠組みに取り入れていくこととしたい。

 ここにあるように、生保協会のページに認定ソフトが書いてあるかってぇと、見当たらない。ポーズだけか?
 以前ここで、日本生命の子会社がソフトつくって売りつけるってニュースを取りあげたが、あれ?生保協会の会長って誰だっけ。

生命保険協会長就任にあたって(所信)
平成19年7月20日
社団法人 生命保険協会
会長   岡本 圀衞

 岡本圀衞?
 日本生命の社長だ。どおりでソフトの普及に努めてるわけだ。
 で、新聞記事を改めてみると、

医療機関側の導入コストは病床百前後の病院で百四十万円程度。生保協は一部を補助する方針。

 これも、以前にも触れたけど、生保協会としては、一部を補助するだけ。無料じゃない。
 1病院140万。それを1000の病院に普及させることで、日本生命にどれだけの利益が入るやら。また、ただでさえ医療費抑制抑制と言われている昨今だ。そんなことに金を出す病院があるのかなぁ。