医療、というか、社会常識の話だと思うけどね。

 このあいだ、ある患者さんの家族と話し合いをしました。専門用語でムンテラだのI.C.(=Informed Concent)だのということ。去年の12月から入院している患者さんで、しかも高齢。治療についてある程度方向性が決まってきたから、そろそろ今後のことを話さなければならない。むしろ遅いくらい。
 で、家族をよんで、話をしました。前任者が患者の長女に話をしているということなので、私が話しているその人は長女だとばかり思っていました。確認しなかった私が悪いのだろうが、私が今までの経過を話して、

「今後、たとえば、施設に移るとか、転院するとか、あるいは、自宅でみたいとか、ご家族としてはどうお考えですか?決まりましたか?」

なんてことをかみ砕いて、かみ砕いて、お話していたら、ひとこと、

「えーっ、そんなこと聞いてないぃ」

…念のため言っておきますけど、10代20代の娘さんが言った言葉じゃないですよ。明らかにそれを通り越した方です。
 話を聞く態度として、私に向かって、身体を90度、斜に構えて聞いていて、なんだこいつは、と思いながら話していましたが、こりゃ厄介な家族にかかわってしまった、と思いましたね。
 しかも、実は私の話していた相手は長女じゃなかった。もちろん、次からは長女さんが来るように、と伝えましたけどね。
 他にも書き残したいことはいろいろありますけどあえて書きません。なにより、社会人として、人と接するマナーがなってない。「オレ様はおまえの家族を治療しているお医者様だ、頭が高ぁい」なんて思っちゃいませんけども、人と話すうえでの最低限のマナーってあるでしょ。それさえもなってないんだから。人と話すとき、身体をあさっての方向に向けて話します?しかも常にしかめっ面で。
 今の病院への勤務は始まったばかりですけれども、大学病院と比較して、こういう面での、なんというか、問題といっていいのかな、それがあることを痛感しました。気を引き締めて、感情的になることなく(実はちょっとなったけど)、あたっていきたいとこう思ったりする今日この頃でした。