大学病院が残るための道がどんどん潰される。

 結構大きなニュースと思いますが、いつもお邪魔しています、
「勤務医 開業つれづれ日記」より、「これでDPC病院終了 「DPCは同一疾患の再入院は「起算日リセット不可」」」より。
元のニュースは、「times-net 医療ニュース」より。

■ 2007年04月25日
DPCは同一疾患の再入院は「起算日リセット不可」(14:19)
 厚生労働省20日DPCを算定している病院について、医療資源を最も投入した傷病名が同一の場合、再入院後の入院起算日はリセットできないことを明確にし、地方社会保険事務局などへ疑義解釈を送付した。

 ここで、はて、DPCとはなんぞや?となる。
 自分では、
「疾患ごとに使える点数および入院日数が決まっていて、それを超えると出来高制になったり、要は病院としては赤字になっちゃうよ、と言う制度」
くらいの認識。だから、できるだけ短期の入院で、検査や薬など少なく済めば、病院としても得になる制度、と考えてる程度なので、「定義は」なんて言われると、わかりません。
 そこで探してみました。
 まずひとつ、三菱ウェルファーマのページにありました。「DPC制度 はやわかりマニュアル
 分かりやすく書いてあるようでも、読む気はおきません。
 つぎ、あ、分かりやすいのありました。市立伊勢総合病院のページ、「DPCについて
 これは分かりやすい。

 DPCとはDiagnosis Procedure Combinationの略で、従来の診療行為ごとに計算する「出来高払い」方式とは異なり、入院患者様の病名とその症状・治療行為をもとに厚生労働省が定めた1日当たりの金額からなる包括評価部分(投薬、注射、処置、入院料等)と出来高評価部分(手術、麻酔、リハビリ、指導料等)を組み合わせて計算する新しい計算方式です。

 出来高制も組み合わせるんですね。私の認識がちょっと間違っていたことがわかります。
 で、私の所属している大学病院では、現在DPCを使用して計算をしています。癌に対して、およそ1か月かかる化学療法を集中して複数回やることなんてのはザラにあります。長期入院になるわけですから、患者さんのストレス緩和の意味もあり、また定額制->なるべく短期の入院のほうがいいので、1回化学療法が終わるごとに退院なんてのもよくあります。その辺の解説が、中間管理職さんのところで記されています(すんません、他力本願と呼んでください)。
 それが、「医療資源を最も投入した傷病名が同一の場合、再入院後の入院起算日はリセットできない」となるわけですから、化学療法やるときゃどうすんでしょ?
 前のエントリーにもあげたけれども、厚生労働省の政策って、それがどんな影響を及ぼしていくか、まったくと言っていいほど考えていない、か、最初っから、医療崩壊ありきでわざとやっているか、どちらかしか考えられない。医療従事者側としては、まず、患者さんのためとして、身を削って働いているのに、それをことごとく潰していくような策しか考えていない。
 もう既定路線だという意見もありますが、日本の医療はおしまいです。
 DPCについてもうひとつ、「勤務医 開業つれづれ日記」より、「DPCで医療費:定額病院の治癒患者減少、4.84%」がまた参考になります、と自分のためにメモしときましょう。