選挙選挙選挙…。

 現場の意見を聞いてほしい。何度も言うが、選挙のために効果のない政策を挙げて「ぼくたちやってるよ」というのはいい加減止めてくれ。YOMIURI ONLINEより。
研修医の都市集中是正へ 政府・与党 医師確保対策決定

研修医の都市集中是正へ
政府・与党 医師確保対策決定
 政府・与党は31日午前、首相官邸で、医師確保対策に関する協議会を開き、医師不足地域に対する「緊急臨時的医師派遣システムの構築」など6項目の緊急医師確保対策を決めた。
 政府が6月に決定する「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太の方針)や参院選公約にこうした内容を盛り込む考えだ。
 対策は、〈1〉現役を退いた医師などを中心とした「医師バンク」を作って医師不足地域に派遣する〈2〉研修医の都市集中を是正するため、都市部の臨床研修病院の定員を見直す〈3〉医学部を卒業後、へき地などの勤務を義務づける「自治医科大学方式」を全国の医学部に拡大する――などが中心だ。
(2007年5月31日 読売新聞)

 都市部も含めて全国的な医師不足だ、って言ってるのに、現状をろくに分析しておらず、現場の声を聞いていないから、〈2〉のような案が出たり、即効性の無い〈3〉のような案が出る。有権者よ、だまされるな。
 1つ1つ検証したいけど、面倒なので、医師バンクについて検索。
 SkyTeam先生のところ、「東京日和@元勤務医の日々」で取り上げています。「人材紹介と医師バンク」。ソースは朝日新聞ですが、asahi.com上には無くなってしまったようなので、新聞・雑誌記事横断検索より検索。
 やはり医師バンクに問題点は多いようだ。こんな政策を、医師不足対策の中心に据える現政府に期待をしてはいけない。そして、選挙でNOと言わなければならない。
 以下は朝日新聞の記事。

「医師バンク」苦戦 登録伸びず実績低迷、「女性版」発足へ課題
2007.01.13 東京夕刊 3頁 3総合 (全1,240字) 
 医療現場の人手不足を解消するためにつくられた、医師や看護師の「人材バンク」が各地で苦戦している。職場を離れた後、再就職を希望する医師や看護師に、条件が合う病院などを紹介する機関。大阪の医師バンクは再就職の実績が年間ゼロの時もあり、看護職員では就業率2割と低迷している。今月下旬には、医師不足対策の切り札として女性専用の医師バンクが立ち上がる。眠っている女性の力を掘り起こす作戦は、成功するのか。
 「医師バンク」は90年代以降、日本医師会が各都道府県の医師会などに開設を呼びかけてきたが、多くの医師会が「予算と人手のなさ」を理由に二の足を踏んでいる。05年の調査では、開設されたのは宮城や岡山など19どまり。
 ●目立つ高齢者
 その19の医師バンクの04年度の実績も、求人は632人あったのに、登録者は145人だけ。再就職できたのは68人と半分以下で、女性は2割。大阪のバンクは、ここ3年間0〜3人しか雇用に結びついていない。バンク側は「登録するのは高齢や体調不良の医師が多い」などと説明している。
 日本医師会の今村聡・常任理事は「医師バンクには、登録者の伸び悩みや周知徹底の難しさなど課題は多い。医師確保策としては十分に機能していない」と打ち明ける。
 ●看護師も深刻
 看護師や助産師などのバンクは、いっそう深刻だ。資格を持ちながら職場を離れている「潜在看護職員」は全国に推定55万人。日本看護協会の看護職員バンクには昨年度約8万人が登録したが、就業率は20%だった。
 協会は昨年10月、登録者を増やすため、復職時期や労働条件の意識調査を行ったが、実際に発掘できた人材は約2千人にとどまり、目標の3万人を大幅に下回った。
 看護職員は医師と違って国などへの登録義務がないため、現場を離れた人を把握するのが難しい面もある。
 再就職には、ブランクそのものが大きな障害となるとの指摘は多い。医療現場には日々、最新の知識や技術が導入され、仕事から離れた期間が長いほど腕や感覚が鈍り、医療機関側も採用をためらってしまうからだ。
 ●「再教育必要」
 しかし、医師不足は深刻。政府は昨年、産科医など医師不足対策として「女性医師バンク」の創設を目玉に掲げた。厚生労働省は今年度と新年度で2億1600万円を予算計上。東京と福岡の医師会に事務局を置き、1月下旬から登録を受け付ける。しかし、女性医師の再教育機関を設立した東京女子医大の川上順子教授は「復帰した医師は、技術や知識もさることながら、現場のスピードに慣れるのに苦労する。人材バンクは、再教育の場を整えないと絵に描いた餅になる」と話している。
 ◆キーワード
 <女性医師> 厚生労働省によると、医師国家試験の合格者に女性が占める割合は増加傾向で、05年は33・7%。04年調査では、医師全体の16・5%が女性で、小児科は31・2%、産婦人科は21・7%と割合が高い。医療現場は長時間労働や深夜の呼び出しが多く、女性医師は出産や育児と両立できず、働き盛りで一線を退く例が少なくないといわれる。