1月1日の読売栃木版。

 1月1日から、「とちぎ医療ルネサンス」として、力の入った記事を並べていたので紹介。
 栃木版を開いて左。これはYOMIURI ONLINEにもあった。
命あしたへ(1)広がる助産師活用
 助産師外来についての話。
 そして右の紙面。これはWeb上に無かった。

地域のお産どう守る
分娩施設 10年で3割減
 県内で相次ぐ病院や産科診療所の分娩取りやめ、受け入れ縮小−。独協医大(壬生町)の渡辺博教授(産婦人科)の調査によると2007年末現在、分娩を扱う医療機関・施設は47施設で、10年前の66施設に比べて約3割も減っている。
 この10年で9施設が新たに加わった一方、その3倍の28施設が取りやめた。最近では、周産期母子医療センター*1に県から指定されている宇都宮社会保険病院(宇都宮市)が06年4月に産科を休止。07年度は、国立病院機構栃木病院(同)も分娩の受け入れ数を大幅に縮小した。診療所は34施設で全体の7割を占めるが、医師の高齢化などの影響で閉鎖が相次ぎ、10年前よりも15施設も減少した。

 病院勤務の医師も減り続けている。県医事厚生課のまとめでは、この3年で2大学病院を除く県内主要28病院の産婦人科医が2割減少。内科、小児科など他診療科の減少幅はいずれも1割未満にとどまっており、産婦人科が突出している。「過密勤務に加え、医療事故などの訴訟リスクヘの懸念が高まっていることも、産科医減少に拍車をかけている」と渡辺教授は指摘する。
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妊婦の救急搬送受け入れ拒否も
 こうした事態は、一部の病院への妊婦集中と、救急搬送の受け入れ拒否という悪循環を招いている。
 県央のある産科医院。昨夏、妊娠30週の妊婦が破水した際、県内病院では「満床」を理由に受け入れを断られ、東京都内の病院へ救急搬送した。「2次、3次(救急医療病院)がしっかりしてこそ、診療所は地域のお産を支えることができる」。往復6時間を付き添った院長は話す。
 全国の産科医でつくる「日本のお産を守る会」発起人の1人、きうち産婦人科医院(矢板市)の木内敦夫院長は、「周産期医療の役割分担と、各機関の受け入れ数をシステム化する必要がある。その上で正常分娩を支える底辺拡大を図らなければ、“お産難民”の危機は救えない」と懸念を深める。
 地域のお産を守るため、産科医をどう育成し、各機関をどう連携させていくべきなのか−。産科医療全体を、根本から見直す時期に来ている。

 右下の超音波検査を受けている写真。本文内容と直接の関係はないのだが、なぜか右ページの右下にあったので、同じように右下に配置してみた。
 助産師活用の現状と、県内の客観的なデータを挙げて、産科の現状と産科救急の実態についても問題提起をしている。
 この記事は連載のようなので、これからの記事にも注目したい。

*1:産科と小児科を備え、合併症や早産など母体と胎児・新生児へのリスクが高い妊娠から産後までの緊急事態に対応する医療施設。国と各自治体は、3次医療圏(都道府県単位)に対応する総合周産期センターと、2次医療圏(地域単位)に対応する地域周産期センターの整備を進め、県内には現在、総合は2施設、地域は2007年11月に承認された国際医療福祉大病院を含め8施設がある。(解説欄より)