女はやはり感情で行動する生き物ではないだろうか。

 当方大学病院勤務。
 朝、創傷処置をスタッフ全員で病棟を回って行う。
 術後創部し開のある患者の処置について。その患者の処置はその創部の状態を見て臨機応変にその場で処置を変更することが多い。
 その日も他の医師とこうしたほうがいい、ああしたらどうだろう、と少し話していたら、担当看護師がしびれを切らしたのか、少々ムッとしたように、「私の思うようにさせてください」と、周りを押し切って処置をはじめた。
 あまり意味のない処置であったし、実際、私と助教授がその話を彼女にしかけたのだが、患者の前でもあり、それを声高に言い出す状況では少なくともない。
 へたれの私はそれについて後で彼女に説教することもなく、大学病院とはこんなもんだろうと、正直面倒でもあったので、それっきり。
 もうひとつの例。
 ある看護師が、私のことを避けている。
 目を合わせることもなく、私が近づくと明らかに逃げる。こちらからあいさつしても、それを返すこともしない。
 なにかやらかした覚えは無いのだが、他のDr.の前では笑顔も見せるのに、少なくとも私の前ではそのような顔は微塵も見せない。それだけならばいいのだが、それがしばしば仕事に影響することがある。
 私が外来担当のある日、ある患者が入院した日でもあった。
 その日に、手術前なので、患者とその家族交えてお話したかったのに、外来を終えて病棟に上がってみれば、勝手に家族を帰してしまっている。
 気の利いた看護師ならば、外来にでも連絡して、患者家族と話すことはないか、尋ねることくらいはする。
 よほど私と話をしたくないのだろう。
 あるいは私がそこまで気を回して、「家族とお話したいので○○時に来るよう伝えてください。」とメモを残すことが必要なのかもしれない。ここに挙げた例の場合でもそうしていた記憶があるのだが、ホントに嫌われているのだなぁと実感した。
 この例に限らず、当の彼女は、必要な伝言、ディスカッションをしないままに仕事を無理やり進めようとする。
 要は私と話したくないということなのだろうが、社会人たるもの、私情は胸の奥にしまっておいて、仕事の効率を優先して仕事にあたるべきではないだろうか。生理的に嫌いとか、どうしても話したくないというのはあってもしょうがないと思うが、それと仕事は別に考えるべきであろう。
 いままで、仕事の効率を落としてでも私情を優先するような男性にお目にかかったことがない。
 感情を優先するのは女性だからなのだろうか。たぶん、きっとそうなのだと思う。