小ネタ(といったら失礼か)から思い出したこと。

 おはようございます。昨日の雑感を読み返して、m3.comの掲示板も、議論の場として非常に有用だったなぁ、と昔の想い出のように思い返す今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
日経メディカル オンライン』より。本文がエラク長いので、今日配信されたメールから。

 「基本的に受け取る」と「どうしてもと言われれば断れない」を加えると、8割近くの医師が患者から謝礼金を受け取っていることが、日経メディカル オンラインが医師会員を対象に実施した調査で明らかになりました。一方で、「絶対に受け取らない」という医師も10%強。患者さんと医師の両者にとって、謝礼は依然難しい問題です。

◆5.24 患者からの謝礼金、受け取る医師が8割〔from REPORT〕

 私が研修医のころ、ある大自動車会社のお偉いさんが、手術目的に入院しておりました。もちろんVIPルームです。
 そんな部屋に自分が行くだけでも緊張するってのに、あるとき、そのお偉いさんのお部屋にうかがって、診察、というかお話だけをしたそのあと、謝礼を手渡されました。はじめての謝礼金です。
 耳にはしていましたが、若き日の自分にとって、それは犯罪に近いこと。これはどうしても受け取れない、そう考えて、丁重にお断りしました。しかし、相手は海千山千のお偉いさんです。まあ受け取りなさいといいます。私はそれでも固辞します。ついにはお偉いさんがひとこと、

「受け取れッ!」

 大きな声を張り上げて怒ってしまい、奥さんが再度持ってきました。そこまでされて受け取らないわけには行きません。受け取りましたよ。その後オーベンにその件を話しましたら、「あ、そう」という返事。犯罪にも等しいことをしてしまったという意識が自分にはあったので、拍子抜けしてしまいました。
 レポートにもありますが、今はルールとして謝礼金を受け取らないところがほとんど。しかし、それを知っていても謝礼金を持ってこられる方はいらっしゃいます。そこを強硬に受け取れません、とすると、相手の気分を害してしまうことにもなりかねない。私はこの一件以降、患者さんが謝礼金を持ってくるような場合、一応(といっては失礼ですが)お断りします。しかし、相手がどうしてもという場合には、受け取ります。
 いろいろ議論のあるところでしょうが、私はそうしています。日経のレポートはこれからじっくり読んでみましょう。