大淀病院の件について、マスコミの反応を探してみる。

 最近目が疲れることが多いんで、手術が結構大変。内視鏡にしても、前立腺生検にしても、モニターを凝視しなければいかんからね。
 で、タイトルの件。
 口頭弁論とやらがあったのが月曜日。ニュースとしてあつかうのなら、月曜もしくは火曜日が適当でしょう。この件は、単なる1ローカルニュースとしてとらえるのではなく、医療崩壊の中の1つの大きなニュースとしてとらえるべき話と考えているので、全国レベルで考えなければいけない話と思っていました。諸先生方のサイトでも、ニュースとしてどうあつかわれていたか、まとめられているところはありますが、例のごとく、新聞・雑誌記事横断検索を参考にしてみてみると、全国レベルのニュースとすれば、

  • 通信社・テレビ;共同通信NHKニュース
  • 全国紙;朝日、読売、毎日、産経

 Web上で、このレベルで扱うニュースと思っていました。が、実際には、この中では、共同通信NHKニュース、朝日新聞が取り上げていたのみ。なぜか当の毎日新聞はWeb上で取り上げていない。ニュースバリューとしてはそんなもんなんでしょうかね。
 まあ、新聞・雑誌記事横断検索で検索できるようになるには、数日かかるようなので、全国的にどうあつかわれていたか、もう少し、数日たったら調べてみましょうか。
 では、メモとして、記事を並べておきます。
 まず共同通信

「遺族は責任を転嫁」 妊婦死亡で町が争う姿勢
 奈良県大淀町大淀病院で出産時に意識不明となり、約20の病院に転院を断られた後に死亡した高崎実香さん=当時(32)=の夫晋輔さん(25)らが大淀町と担当医に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、大阪地裁(大島真一裁判長)で開かれ、町側は争う姿勢を示した。
 町側代理人は「診療体制の問題点を特定の医師、医療機関に責任転嫁しようとしており、到底許容できない」と主張。提訴を「正当な批判を超えたバッシング」と批判し「結果として病院は周産期医療から撤退、県南部は産科医療の崩壊に至っている」と述べた。
 遺族側の訴えについては「脳内出血は当初から大量で、処置にかかわらず救命し得なかった」と反論した。
 これに先立ち意見陳述した晋輔さんは、転院先の医師から「あまりに時間がたちすぎた」と伝えられたことを明かし、おえつしながら「もう少し早ければ助かったということ。それが頭から離れません」と訴えた。
2007/06/25 17:47 【共同通信

 次、NHKニュース。

妊婦死亡裁判 病院争う姿勢ウェブ魚拓
去年、大淀町の町立病院で妊婦が出産中に意識不明となって死亡したのは医師の診断ミスが原因だと夫らが訴えている裁判で、病院側は、「出産中に大量の脳内出血を起こし、どのような処置をしても助けられなかった」と全面的に争う姿勢を示しました。
この問題は、去年8月、大淀町の町立大淀病院で、高崎実香さん(当時32)が出産中に脳内出血で意識不明となり、ほかの19の病院に受け入れを断られて大阪の病院まで運ばれた末、8日後に死亡したものです。
原告で夫の晋輔さんら2人は、「脳内出血を疑わせる兆候があったのに、産婦人科の主治医が放置したため容態が悪化し、死亡につながった」として、病院を運営する町と主治医に損害賠償を求めています。
25日は大阪地方裁判所で1回目の裁判が行われ、被告の町と医師側は、「医師は放置していないし、妊婦が大量の脳内出血を起こしていたことを考えるとどのような処置をしても命を救うことはできなかった」と反論し、全面的に争う姿勢を示しました。
この問題が明らかになった後、大淀病院はことし3月一杯で産科を休診しましたが、これについて被告側の弁護士は、「今回の件でバッシングを受けた結果だ。原告らの誤った主張は医療界をあげて断固正していく」と批判しました。これに対し、原告の晋輔さんは裁判の後、「病院には産科を続けて欲しかったが、事故の検証もせずに廃止を決めてしまった。逃げたとしか思えない」と話していました。

 で、朝日新聞

病院側「産科医療全体の問題」と反論 奈良妊婦死亡訴訟
2007年06月25日
 奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、出産中の妊婦が19病院に転院の受け入れを断られた末に死亡した問題をめぐり、遺族が町と担当医師に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、大阪地裁で開かれた。被告側は意見陳述で「産科診療体制の問題を特定の医師や医療機関の責任に転嫁している」と述べ、全面的に争う姿勢を示した。
 被告の同病院産婦人科(現・婦人科)の男性医師(60)側は、医師は早く搬送先が見つかるよう努めた▽早く転院できても助かった可能性はない――などと主張。「社会的制裁を受け、病院は産科医療からの撤退を余儀なくされた」とした。
 一方、長男の出産後に脳内出血で亡くなった高崎実香さん(当時32)の夫で原告の晋輔さん(25)も意見陳述に立ち、「もう少し早く別の病院に搬送されれば助かったのではないか、という思いが頭から離れない」と声を震わせて訴えた。