アカデミックな話をしてみようかな。

 最近、自治体での住民検診の一環として行われることが多くなってきたPSA検査。厚労省の案と泌尿器科学会の見解とが併記されているため、記事としては問題ないのだが、なにせタイトルに、
前立腺がん「検診勧められぬ」”
…なんて付いているから、新聞読んでるお年ごろの男性は混乱するんだろうなぁ。
追記)そういえば、東部総会じゃないか。そこでの発表だったのかな。うーん、行きたかったけどいけない事情もあり…。
(2007年9月1日 8:52追記
 asahi.comより。

前立腺がん「検診勧められぬ」 厚労省が指針、学会反論
ウェブ魚拓
2007年08月31日
 がん検診に関する厚生労働省の研究班が、前立腺がん検診のPSA検査について「市町村の住民検診として実施することは勧められない」とするガイドライン案をまとめた。日本泌尿器科学会(理事長=奥山明彦・大阪大教授)が31日、案を明らかにしたうえで、「検診で転移がんが減少するといった最新の動向が考慮されていない。結論は2、3年保留すべきだ」などと、反対する見解を公表した。
 前立腺がん検診は市町村の7割が実施しているとされ、検討中のところもある。ガイドラインが正式にまとまると住民検診に影響を与えそうだ。
 PSAは「前立腺特異抗原」と呼ばれる酵素前立腺細胞が何らかの理由で崩れると血液中に出てくる。ある値以上の場合、がんなどの可能性が高くなるとして精密検査が勧められる。
 学会の説明によると、研究班は内外の論文を検索して検討。検査で前立腺がんの死亡率が減るかどうかの根拠が不十分と判断された、という。ただし、適切な説明の下で任意に受けることは否定していない。
 米国では80年代後半からPSA検査が普及し、前立腺がんと診断される人が増え、死亡率は90〜92年をピークに低下している。泌尿器科学会は「PSA検査が関与している」としている。一方で、世界的に認められた論文はなく、欧米の専門機関も意見が一致していない。
 前立腺がんによる死亡は05年に9264人で、95年の1.7倍。今後も増加が予想されている。