2次検診は誰のため。

 読み返すとぜーんぜんアカデミックな話になってないね。反省。
 本日午前中は通常外来。2次検診、尿潜血やらPSA高値やらがちらほら。
 2次検診の患者さんが受診されて、まず最初に私は、患者さん自身がどういう理由で検診にひっかかって2次検診を受けるに至ったかを、必ずご自身に確認する。しかし、ほとんどの方は理解されていない。理解されているほうが珍しい。
 今日はあまりに腹が立ったので、役所の検診担当に電話を入れようとしたら、外来看護師が、
「センセ、土曜日だから役所は休みですよ。」
と。さらに腹が立ったけど、外来終わってパン食べたらおさまった。腹減ってたのね。
 話を戻す。
 患者さんに、結果について何か解説を受けたか、と訪ねると、ほとんどの方は、
「ただこの結果がひっかかったから病院受けてくれといわれた。」
とだけおっしゃる。具体的に、例えば、
前立腺癌疑いなんでしょ?癌の可能性は何%くらいなんですかね。」
ってヒトはまずいない。
 こちらとしては、毎度毎度、
「自分のカラダのことだろう?」
と腹の中で思い、同時に拍子抜けしながら、
前立腺ってのはね、膀胱っておしっこためる袋あるでしょ、その下にある臓器でね…」
と1つ1つ解説していく。
 検診って誰のためにあるのだろう。
 国民のためというのならば、もっと国民に分かりやすい形でパンフレットを作るなり、解説する機会を作るなりするのが国、自治体の仕事じゃないのか。その手間さえも惜しんで、それを臨床にまかせるのはどう考えてもおかしい、と考えてみる土曜の午後。