そんなに聞こえないものかなぁ。

 私の家は市の中心部からほんの少し外れたところにあり、仕事先の病院から帰るときには、途中、中心部を通ることになる。したがって、どうしても車通りの多い道を通ることになるし、それなりの騒音の中、運転することになる。
 昨日の仕事の帰り道、夜7時頃かな、後方から救急車のサイレンが聞こえる。
 いつもはけっこうな大音量で音楽を流し、ときには自らも大きな声で歌ったりもするのだが、救急車の音ははっきりと聞こえる。昨日は落語を聞いていたせいか、後方から来る、ということまでわかった。
 片道2車線の直線道路、道はそこそこ渋滞していて、私はその右車線。動けないからどうしようもないので、そこから動かず待つ。すると、救急車は後方から、すいている対向車線にはみ出し、私の車の脇を通り、交差点へと入っていく。
 幸いにして救急車側の信号は青信号だったが、みんな止まらないねぇ。対向車線から救急車の直前を右折するバカもいたよ。
 奈良の妊婦死産の件。医療体制の不備や医療行政の問題、あるいは妊婦自身の認識の甘さなど指摘されているが、救急車へ衝突した車についてはあまり問題になってない。
 YOMIURI ONLINEから8月29日の記事を引っぱってみる。
奈良→大阪9か所断られ、妊婦の搬送先決まらず流産
ウェブ魚拓

 29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市から女性(36)を搬送していた中和広域消防組合(橿原市)の救急車が、同府茨木市の自営業男性(51)運転の軽乗用車と衝突した。
(中略)
 高槻署の調べによると、救急車がサイレンを鳴らして赤信号で交差点に進入し、左から走ってきた軽乗用車が衝突した。当時、激しい雨が降っていたという。消防隊員らにけがはなかった。女性は事故10分前に救急車内で流産したという。

 朝の5時。激しい雨が降っていたとはいえ、車通りはそう多くはないでしょう。しかも軽自動車。壁もそれほど厚くないはず。サイレンって聞こえないものかなぁ。
追記)私も含めた医療従事者の方々の耳は、職業がら、日常の雑音の中から救急車のサイレン音を聞き分けられるようになっている、と思う。ときには、どこにも救急車が走っていないのに、サイレンが聞こえた“ような気がする”こともあるくらい敏感になっている。
 そうでない方々の耳にはあまり聞こえないのかなぁ、とも考えるけども、実際どうなのかな。
 あと、先ほど思いだしました。このエントリーを挙げるきっかけ。
 いつもおジャマしております、「女医^^遊佐奈子のお気楽!」の「救急の不思議」の、

何故、一般市民は救急車に道を譲らないのか?

 この一文を読んだから。
 マスコミが騒ぐ割には、一般の意識はそれほどじゃないってことなのかな。
(2007年9月7日 8:51追記
 以下は記事。

奈良→大阪9か所断られ、妊婦の搬送先決まらず流産
 29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市から女性(36)を搬送していた中和広域消防組合(橿原市)の救急車が、同府茨木市の自営業男性(51)運転の軽乗用車と衝突した。
 女性は高槻市消防本部の救急車に移し替えられ、約40分後に高槻市内の病院に運ばれたが、妊娠3か月で、すでに流産していた。女性は奈良県立医大病院(奈良市)と大阪府内の計9病院で受け入れを断られ、高槻市内の病院が10か所目だった。
 高槻署の調べによると、救急車がサイレンを鳴らして赤信号で交差点に進入し、左から走ってきた軽乗用車が衝突した。当時、激しい雨が降っていたという。消防隊員らにけがはなかった。女性は事故10分前に救急車内で流産したという。
 中和広域消防組合によると、午前2時45分ごろ、自宅近くのスーパーにいた女性が体調を崩し、いっしょにいた知人が「妊娠の可能性がある女性が下腹部から出血している。彼女には流産の経験がある」と同消防組合に通報。同消防組合は同医大病院に受け入れを要請したが、手術中だったため搬送できず、同府内の5病院に連絡。5病院は「処置中」などと回答し、さらに同府内の4病院に電話を入れ、10か所目の高槻市内の病院で受け入れが決まった。救急車は最初の通報を受けてから、約1時間半後の同4時20分に出発した。
 この日、同県内の産婦人科で妊婦の受け入れが可能だったのは同医大病院だけだったが、消防組合からの要請を3度にわたり断ったという。同医大病院は「事実を確認中」としている。
(2007年8月29日 読売新聞)