サラリーマン川柳に感心してみる。

 今日の読売、編集手帳より。京都市職員のいわゆるずる休みの話から、サラリーマン川柳にからめた話。

〈頑張れよ無理をするなよ休むなよ〉

…うまいなぁ、と。だって、医者の立場もこんな感じでしょ。
 いや、それだけなんだけどね。
 以下は記事。

 〈また寝坊ついに親族死に絶える〉。寝過ごすたび、親類に不幸があったことにして会社を休んでいたのだろう。サラリーマン川柳の秀作集「『サラ川』傑作選すごろく」(講談社)の一句である◆「スーダラ節」の世ではなし、いまどきの会社にそう気楽な稼業はなかろうよ…と思いきや、一部のお役所には健在らしい。有給の服喪休暇(忌引)を不正に取得したとして、京都市が職員42人を処分した◆43歳の男性職員はおじ6人、おば4人が死んだと偽りの申請をし、3年間に10回・計10日の忌引を取っていたという。身近にいれば、親族うちそろって一度、お祓(はら)いでもなさいと勧めていただろう◆上司に日ごろ、〈頑張れよ無理をするなよ休むなよ〉と声音やさしく鞭(むち)を入れられ、おじさんもおばさんも死なせずにきた人には、すんなり嘘(うそ)の通る職場は別世界かも知れない◆公務員による年金保険料の横領事件などに比べれば何ともささやかな“悪事”だが、「針とる者は車とる」ということわざもある。針とる行為をきちんと咎(とが)めることから、すべては始まるのだろう◆秀作集には、〈何故(なぜ)だろう私がいないとうまくいく〉という句もあった。ずる休みで同僚に迷惑をかけては肩身が狭く、逆にありがたがられるのも、それはそれで居心地がよろしくない。ともあれ、精勤に限る。
(2007年10月10日1時28分 読売新聞)