毎日新聞、禁煙タクシーでたばこのゴリ押し、その後日談。

 先ほど、ネット上をさまよっていたら、偶然見つけた記事。
 以前、毎日新聞記者が禁煙タクシーでたばこを無理やりすおうとチャレンジした記事を取り上げた。これはその後日談。古いので、ウェブ魚拓のみ。
 どうやら抗議が多くあったらしく、罪滅ぼしのためか、こんな講演記事をまず持ってきて、

タクシー全面禁煙:県内禁煙、高く評価 訴訟の元原告・平田さん講演 /神奈川

 で、そのあと、こんなタイトルを付けて言い訳をくっつけている。

 ◇12日の記事、趣旨を説明します
(中略)
…今回の取材でも、運転手が問いかけに了解した場合であっても記者は喫煙しておらず、取材への理解も得ました。ただ説明不足の面があり、誤解を招いたことは反省しています。

 吸ってないってどこにも書いてないじゃん。吸いたいって客に言われたときにどうするか、って聞きたいのなら、普通に取材すればいいじゃない。電波少年まがいのことをやれば批判されるのは目に見えてるでしょ。
 これが毎日新聞クオリティ。
 以下は記事。
 まず言い訳。

 ◇12日の記事、趣旨を説明します
 県内タクシーの全面禁煙化を受けて12日の神奈川面に掲載した記事「県内タクシー全面禁煙始動 本紙2記者が試乗」に対し、禁煙を推進する団体や読者の皆様から抗議や批判をいただきました。
 記事はタクシーに乗った記者が、運転手に「たばこを吸ってもいいですか」と問いかけるものでした。スタートしたばかりの現場から、運転手の肉声や苦労を報告することが狙いでした。
 タクシー全面禁煙の取り組みが運転手の受動喫煙被害を防止し、利用者の健康も守るという趣旨は十分承知しています。今回の取材でも、運転手が問いかけに了解した場合であっても記者は喫煙しておらず、取材への理解も得ました。ただ説明不足の面があり、誤解を招いたことは反省しています。
 タクシー全面禁煙の取り組みをはじめ、喫煙の問題は今後ともさまざまな形で取り上げていきたいと考えています。<横浜支局長・寺田浩章>
毎日新聞 2007年7月19日

 で、電波少年まがいのことをやった記事を再掲。

禁煙タクシー:県内、全面始動 毎日新聞2記者が試乗 /神奈川
 県内のタクシーが11日、首都圏で初めて全面禁煙化された。「きれいな空気で過ごせる」と歓迎する人。「乗客とのトラブルが心配」と不安顔の運転手。受け止めはさまざまだ。1万4000台の禁煙タクシー始動で、サービスはどう変わったのか。同僚の池田知広記者=1日喫煙本数15〜20本、25歳=と乗車してみた。【堀智行】
 ◇携帯灰皿渡し「車外で」/断りきれない運転手も
 池田記者はタクシーに乗ると、ついたばこを吸ってしまう。禁煙タクシーについて「人目につかず、運転手がいいと言ってくれればリラックスして吸える。いきなり、全面禁煙はちょっとやりすぎかも」とちょっぴり不満顔だ。
 11日正午、横浜市中区の県庁前からタクシーに乗った。ハンドルを握るのはドライバー歴7年という男性運転手(59)。車内の灰皿は「禁煙」と書かれたシールが張られた上、接着材で密閉されていた。
 乗車5分後、JR桜木町駅前に差し掛かったところで、池田記者がポケットからたばこをつかみ切り出した。
 「たばこ吸ってもいいですか」
 「今日から禁煙になったんです」
 落ち着いた口調で答える運転手。
 「どうしてもだめですか」
 池田記者も粘る。
 だが運転手は「条例で決まったんで」とやんわり断ると、水色の携帯灰皿を取り出した。
 「外で吸ってもらうことになったんですよ」
   ◆  ◆
 続いて横浜駅から個人タクシーに乗車した。男性運転手(67)は最初は申し訳なさそうに断っていたものの、頼み込むと「そんなに吸いたいの」とあっさりと了解。
 県タクシー協会では、乗客とのトラブルを避けるため想定問答集を作成し、喫煙の申し出があった場合は携帯灰皿を渡して車外で吸ってもらうようにしたが、運転手はこう言った。
 「料金メーターは回っているのに外でとは言えない。トラブルになるくらいなら吸わせちゃう」
 20分後、目的地の横浜市役所に到着。運転手は「夜の酔った乗客とのトラブルが一番心配だよ」と話して走り去った。
 初めての禁煙タクシーの乗り心地はどうだったのか。池田記者は言う。「運転手のほうも断りにくそうなので、こっちも頼みにくかったですね」
毎日新聞 2007年7月12日