考えるだけならタダだからな。

 いくらでも考えてくれ。今日の読売新聞より。記事はヨミダス文書館より。

2007. 11. 24
「大学病院考える会」発足へ 自民、公明有志議員が28日に初会合  
東京朝刊 政治
04頁 297字 02段  
 自民、公明両党の有志議員が、経営悪化や医師不足などに悩む大学病院の改善のため、「大学病院を考える議員連盟」(代表・河村建夫文部科学相)を発足させる。28日に国会内で初会合を開く。文部科学省によると、全国に42ある国立大付属病院のうち2006年度に赤字経営だった病院が7あり、04年の国立大学法人化以降、最多となった。具体的な原因としては、〈1〉昨年度に診療報酬が3・16%減に改定されたことによる収入減〈2〉付属病院運営費交付金の毎年2%ずつの削減――などが挙げられている。議連では、勤務環境の改善、大学院と連携した専門医の養成などを検討し年内にも方向性を取りまとめ、政府に働き掛ける方針だ。

 で、考えてからなにをする会なの?
追記CBニュースから別のニュースを引っぱってみる。
財政サイド「診療報酬引き下げで一致」

 財務大臣の諮問機関「財政制度等審議会」は11月8日までに、2008年度予算で診療報酬を引き下げる方針で一致した。11月中にまとめる建議に盛り込む。診療報酬は、01年に発足した小泉内閣の「(医療)構造改革」の下で、前回(06年度)改定で過去最大となる3.16%の引き下げが実施されるなどマイナス改定が相次いでおり、08年度改定でも引き下げられると、4回連続の減となる。これに対し、日本医師会全国保険医団体連合会などは診療報酬のプラス改定を要求しており、財政サイドの動きに反発を強めている。

 診療報酬引き下げは既定路線ということ。
 タダでさえ労働基準法の逸脱を黙認した医療機関が多いなか、大学病院はその最たるもの。そんな環境でさらに診療報酬を引き下げられて、「勤務環境の改善」って、なにができるのよ、「大学病院を考える議員連盟」さんよ。
 読売新聞も、こんな「とりあえずポーズしてますよ」的な、ニュースにもならんニュースを新聞に載っけるな。
 で、この追記を記すにあたって、いろいろ検索していたら、偶然見かけたもの。九州大学医学部神経内科のページの教授挨拶、「暑い夏の暑過ぎる日々 (2007年9月7日)」より、一部転載。

 九大病院はこの11月から段階的に電子カルテ化される予定である.そうなると医師が入力する項目は大幅に増え,格段に医師の事務的作業量が増す.検査実施した項目なんかを皆医師が自分で入力するのだから事務方の手間は減るはずで,その分で医師の労力を軽減する方向に人員を動かしてほしいと願うが,全くそういう方向に話が進んでいないのはどうしたわけかと思う.大学病院の医師はだいたい朝から晩まで長時間当たり前のように働いている.これ以上仕事量が増えるようなら,医師の定員数を増やすか,サポートするコメディカルやクラークを増やすかしない限り早晩破綻する.

 国立大学の医学部教授という立場で、世界のどこからでもアクセスできるページに、大学病院の惨状を記している。これは九大だけの話ではない。全国的な問題だ。
 こんな大学病院に誰が入りたがる?
(2007年11月25日 5:03追記