物事を勘繰るってのはあまりよくないんだけれど。

 後発医薬品、いわゆるジェネリック薬品について。
 今日(日付的には昨日だが)の読売、気流欄のトップにこんな投稿があった。

後発薬の普及へ周知徹底を図れ
主婦 工藤英津子 61
(埼玉県所沢市)
 先日、後発(ジェネリック)医薬品に関するセミナーに参加した。最近盛んに宣伝されているが、新薬との違いや価格が安い理由などがよく分からなかったからだ。
 後発薬は新薬の特許切れ後に同じ成分で製造するため、開発コストがかからないぶん価格が大幅に安くなるという。セミナーでは厚生労働省の担当者が「高齢化が進む日本では医療費の削減は緊急の課題。安い後発薬の使用を推進して医療費を抑えたい」と、普及の必要性を説明していた。
 後発薬の利点は色々とあるようだが、私はこれまで一度も病院や薬局で使用を勧められたことがない。医師や薬剤師が勧めないと、患者としては「もしかすると後発薬は体に悪影響があるのではないか」などと考えてしまう。
 その上、患者が後発薬に変えたいと思っても、今は処方せんに医師の署名をもらわなければ変更できないそうだ。厚生労働省は、来年4月から医師の署名がなくても患者が選択できるよう、処方せんの仕組みを改めることを検討しているという。こうした動きを把握している人はあまりいないと思う。多くの人に理解されなければ普及は進まないだろう。本当に医療費の削減を目指すなら、行政は本腰を入れて周知を図ってほしいと思う。

 どこのメーカーがからんでいるのかわからないが、セミナーがあったらしい。もし、薬品メーカー主催のセミナーなら、悪い話はまず大きな声では言わないだろう。またなにより、この投稿を気流欄のトップに掲載した時期を考えると余計に、読売が何らかの意図を持ってここにこの投稿を持ってきたとつい勘繰ってしまう。
 先日、CBニュースに、08年度診療報酬改定の要点がまとめられ、その中の一項目として、「後発医薬品促進のための環境整備」が挙げられていたばかり。

 後発医薬品への変更を原則とするよう「処方せん様式」を改める。処方せん様式の変更に慎重な対応を求めていた日本医師会も賛成した。
 処方せんを受け取った薬局の薬剤師は患者の同意を得て後発医薬品に切り替えることができる。後発医薬品の一定以上の使用に対して調剤基本料に点数を上乗せする。

 「後発品医薬品への変更が原則」となるということ。読売が先に挙げた投稿を取りあげるタイミングとしてはいい時期だ。
 いつだったか、どこのメーカーだったか失念したが、ジェネリック医薬品メーカーの広告。読売新聞でも見ることがある。ならば、そうそうスポンサー様の利点はともかく欠点なんぞ挙げて検証するなんてことはまずできないだろう。
 「社会の公器(棒読み)」とは言えしょせん営利企業。スポンサーには勝てませんわな。
…とひねくれて考えてみる。
 あ、そうそう、企画・制作 読売新聞大阪本社広告局のこんなページを発見。興味のある方はどうぞ。