忘年会でのコメント。(追記あり)

 先日、当院では忘年会があり、大いに呑んで、騒いで、踊って、私はギターもひいちゃった。
 会の開始にあたっては、おそらくどこもそうなのだろうが、一言、えらい人、たとえば院長なり副院長なりにお言葉をいただくわけだ。そこでの院長と副院長のコメント内容の違いが興味深かった。
 院長は、最近決まった、診療報酬の本体部分の改定率引き上げのニュースを引き合いに出し、

「やっと医療が認められてきた。」

…とプラスのニュースとして職員に報告していた。
 職員の士気を上げる意味では、ニュース一つをプラスにとらえるのは悪いことではないが、その効果が現場に現れてこなければあまり意味がないのではないのかなぁ。
 このように、この政策の評価を、文字通りプラスにとらえて(いるふりをして)いる(のかもしれない)者もいるが、ニュースを見る限りでは、以下のニュース本文にあるような、「マイナスよりまし」といった評価しか為すことはできない。CBニュースより。

 舛添要一厚生労働大臣は12月18日、額賀福志郎財務大臣と折衝し、2008年4月に実施する診療報酬改定で医師の技術を評価する本体部分の改定率を0.38%引き上げることで正式に合意した。薬価部分(薬価と材料価格)は逆に1.2%引き下げ、診療報酬トータルでは0.82%引き下げる。本体部分を8年ぶりに引き上げる一方、トータルでは02年以来4回連続でのマイナス改定になった。

診療報酬本体、プラス0.38%が確定

 対して副院長は、

「先ほど院長はああおっしゃいましたが、私は先行きはまだまだ不安であると思っています。」

…とさらりと言っていた。この違いがけっこう面白かったのだが、たぶん誰も聞いていないに違いない。
 院長という立場上、ましてや忘年会であれば、医療に関して悪いことは決して言えないだろう。忘年会にこんな話題を選ぶというのも院長のセンスに問題ありとも思うのだが、このニュースについて、トータルではマイナスであると知ってて話したのか、あるいは本気で知らないのか。
 本気で知らないってことはまさかないとは思うのだが…。
追記)今日来ていたメールより、CareNetからのニュースを追記

 政府・与党は17日、診療報酬を0.82%引き下げることを決めた。2002年度から4回連続のマイナス改定となる。ただ、診療報酬本体は0.38%引き上げた。薬価・材料価格の引き下げ幅が拡大したことで診療報酬本体を当初予測よりも引き上げることができた。
 08年度改定率は、医科+0.42%、歯科+0.42%、調剤+0.17%。トータルで+0.38%となる。薬価は医療費ベースで1.1%(薬価ベースで5.2%)、材料価格は0.1%、それぞれ引き下げる。
 0.38%の引き上げ率は国庫負担として304億円の増、薬価の−1.1%で870億円減、材料は−0.1%で90億円減となり、トータル656億円の国庫負担削減につながる。

2007/12/24(月) No.M001298 診療報酬改定率は−0.82% 本体部分は微増

 以下は記事。
 CBニュースより。

診療報酬本体、プラス0.38%が確定
 舛添要一厚生労働大臣は12月18日、額賀福志郎財務大臣と折衝し、2008年4月に実施する診療報酬改定で医師の技術を評価する本体部分の改定率を0.38%引き上げることで正式に合意した。薬価部分(薬価と材料価格)は逆に1.2%引き下げ、診療報酬トータルでは0.82%引き下げる。本体部分を8年ぶりに引き上げる一方、トータルでは02年以来4回連続でのマイナス改定になった。
 本体部分の内訳は、医科と歯科がプラス0.42%、調剤がプラス0.17%。一方、薬価部分は、薬価を医療費ベースで1.1%下げるほか、材料価格も0.1%引き下げる。これにより、診療報酬トータルとしては0.82%のマイナス改定になる。
 政府は、08年度予算で社会保障費の伸びのうち2,200億円を圧縮することをシーリングの段階で決めていた。
 厚労省は、薬価引き下げや後発医薬品の使用促進、政管健保の国庫負担の健保組合による肩代わり(1年間の暫定措置)などで圧縮分をクリア。最終的に、本体部分引き上げのための財源として300億円程度を捻出した。
 改定率が決まったことを受けて、財務省は08年度予算案の原案を20日に内示する。
 大臣間折衝を終えて舛添大臣は、自然増2,200億円分の圧縮について「非常に厳しかった」と述べた。ただ、健保組合による国庫負担肩代わりは1年間の暫定措置になったため、09年度予算編成をめぐり、来年も同じような議論が繰り返されそうだ。
■300億円の増額「マイナスよりまし」
 医師不足による診療科の閉鎖が相次ぐなど病院医療の崩壊が社会問題化する中、本体部分の改定率は8年ぶりに引き上げられ、医療費ベースで300億円程度が上積みされることになった。ただ、医療サイドの受け止め方は必ずしも前向きとは言えない。
 福岡県内の病院(189床)の担当者は、「マイナスよりはましという程度」という受け止め方。
 日本病院会など11の病院団体が参加する日本病院団体協議会(日病協)の鮫島健議長(日本精神科病院協会会長)は同日会見し、「財源確保の努力には感謝するが、改定率に関してはまったく納得できない。300億円程度では、医療崩壊の現状を食い止めることはできない」と述べた。
 日病協の斉藤寿一・実務者会議委員長も、「病院医療の崩壊を救うには程遠い」と強調した。 
更新:2007/12/18   キャリアブレイン

 CareNetより。

2007/12/24(月)
No.M001298
診療報酬改定率は−0.82% 本体部分は微増
 政府・与党は17日、診療報酬を0.82%引き下げることを決めた。2002年度から4回連続のマイナス改定となる。ただ、診療報酬本体は0.38%引き上げた。薬価・材料価格の引き下げ幅が拡大したことで診療報酬本体を当初予測よりも引き上げることができた。
 08年度改定率は、医科+0.42%、歯科+0.42%、調剤+0.17%。トータルで+0.38%となる。薬価は医療費ベースで1.1%(薬価ベースで5.2%)、材料価格は0.1%、それぞれ引き下げる。
 0.38%の引き上げ率は国庫負担として304億円の増、薬価の−1.1%で870億円減、材料は−0.1%で90億円減となり、トータル656億円の国庫負担削減につながる。
 08年度予算で社会保障費が7500億円増加するところを2200億円圧縮し5300億円に押さえることが求められた。このため、もともと診療報酬改定財源はなかったが、政管健保の国庫負担分を健保組合が750億円、共済組合が250億円、国保組合が38億円を肩代わりし、さらに薬価・材料価格分960億円、後発品の使用促進220億円、生活保護母子加算見直し50億円、制度改正237億円でトータル2505億円を捻出した。このため、2200億円を差し引いた305億円を診療報酬の引き上げ分に充てることが可能になった。
(記事提供:医療タイムス)