小さい命を救った(?)話。

 ある日の夜8時ころ。仕事の帰り道。
 片道2車線の道路で私は車を走らせていた。片道2車線だけあって車通りはそこそこある。
 ふと前を見ると、ヘッドライトの光を反射する何かが道の真ん中にある。
 丸い。でも真ん丸ではない。
 スーパーの袋?違う。なんだろう。それほどスピードを落とさず近づく。なんだろう?
 20〜30メートルくらいまで近づいたところだろうか、やっとわかった。猫だ。
 こっちの光なぞ全くお構いなしに、道のど真ん中で、向こう側を向いて、夜景を楽しんでいやがる。
 急、と言うほどではないが、あわててブレーキを踏み、その猫のすぐ近くで止まった。
 止まって1秒くらいたって、初めてその猫がこちらを向いた。

夜景がきれいニャ♪…あ、車だニャ!Σ(゚Д゚;)

 まるでそう言っているようなビックリした顔をして、あわてて道の脇へ逃げていった。

おい、大丈夫かニャ…あ、車ニャ!Σ(・ω・ノ)ノ!

 同時に脇から仲間の猫も顔を出し、そして一緒にあわてて逃げていった。
 漫然と運転していたら、轢いてしまったであろう、猫の話。
 動物は、そのあわてるさまを見ると結構面白い。