我々は福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医の無罪を信じ支援します。


 2006年2月18日。ヨミダス文書館より。

2006. 02. 18
帝王切開手術で出血死、執刀医を逮捕 届け出も怠る/福島県警
東京夕刊 夕社会
19頁 321字 03段
 福島県警富岡署は18日、同県大熊町、県立大野病院の産婦人科医師K容疑者(38)(大熊町下野上)を業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反の疑いで逮捕した。医師が届け出義務違反で逮捕されるのは異例。

 まず、残念ながら亡くなられたこの女性に、深い哀悼の意を表します。
 この事件からもう2年経ちました。
 公判の数が重ねられるにともない、多くの事実が明らかとなってきます。
 コトの次第のまとめに関しては、先日も挙げた、Wikipedia、「福島県立大野病院産科医逮捕事件」に。問題点については、産婦人科、なな先生のブログ、「ななのつぶやき」「福島県立大野病院事件に思う」をご覧ください。
 この事件は非常に残念なことではあります。また、御遺族の思いは我々にはとてもわからないほど、悲しいものと思います。
 しかし、以前に大淀病院の件でも挙げたように、

「出産は命がけのものである」

ということと、我々がどんな医療行為を行うにしても、どこかで死につながる可能性がある、あるいは予期せぬ変化が起こる可能性がある、ということを御理解いただきたいと思います。泌尿器科医師である私も、常にそのことを考えつつ、現場で働いております。
 この例がもし有罪になってしまった場合、産科からの医師離れがさらに進行するのはもちろんのこと、外科系、内科系問わず、積極的な医療行為を行うことが敬遠されてしまうこととなるでしょう。
 この件での医師の逮捕劇と、それに伴う警察の動き、報道の1つ1つ、現在までの公判の流れも、全国の医師は常に注視しています。
 非医療従事者の皆様も、マスコミの報道に乗せられて、「医師悪し」とアタマっから考えることなく、ただただ「かわいそう」と考えるのではなく、コトの経過をしっかり把握していただいた上で、全国の産科の現状も含めた、医療の現状を考えていただきたいと、強く思います。
 以下は2006年2月18日、当日の記事。ヨミダス文書館より。
追記)記事中の個人名を修正いたしました。(2008年2月19日 7:12追記

2006. 02. 18
帝王切開手術で出血死、執刀医を逮捕 届け出も怠る/福島県警
東京夕刊 夕社会
19頁 321字 03段
 福島県警富岡署は18日、同県大熊町、県立大野病院の産婦人科医師K容疑者(38)(大熊町下野上)を業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反の疑いで逮捕した。医師が届け出義務違反で逮捕されるのは異例。
 調べによると、K容疑者は2004年12月17日、同県内の女性(当時29歳)の帝王切開手術を執刀した際、大量出血のある恐れを認識しながら十分な検査などをせず、胎盤を子宮からはがして大量出血で死亡させた疑い。また、医師法で定められた24時間以内の所轄警察署への届け出をしなかった疑い。胎児は無事だった。
 医療ミスは、05年になって発覚。専門医らが調査した結果、県と病院側はミスを認めて遺族に謝罪。K容疑者は減給1か月の処分となった。