ひさびさの自転車。6日目、と自転車3人乗り禁止の是非(追記あり)。

 今日もほぼ同じコース。いつもより少し楽に走れるかな、と思いつつペダルを踏んでいたが、結局約2時間。そんなに変わらない。
 刺すような寒さではないが、まだまだ寒い。暗い。コワイ。だからAMラジオは必需品。
 そのラジオで聴いた今日のアクセスTBSラジオ)。自転車3人乗り禁止の是非について。J-CASTニュースより。

「自転車3人乗り」禁止 幼児持つお母さん猛反発
2008/2/28
幼児を前後に乗せる自転車の「3人乗り禁止」が、08年春にも明文化されることに、小さい子供を持つ親が大反発している。特に東京は保育園への車での送迎が原則禁止されているため、「生活が不便になる」「子供一人を家に残していけない」「子育て支援に逆行する」という悲鳴に似た声が聞こえる。しかし、警察庁は交通安全を考えれば当然のこと、としており、この騒動は簡単に収まりそうに無い。

「自転車3人乗り」禁止 幼児持つお母さん猛反発

 「騒動」とは穏やかじゃないね。警察庁も闇雲に禁止としているわけじゃなかろうに。
 アクセスのページから抜粋。

…さらに都立墨東病院脳神経外科医(当時)が5年前に行った調査によりますと、自転車に補助椅子をつけていた親のおよそ39%が、子供にケガをさせた経験をもっていたということです。

 「ママチャリ 子どもを守る会」というサイト内にその報告の抜粋がある。

(前略)
平成15年1月から平成15年2月の約2ヶ月間、都区内の幼稚園を無作為に100園抽出し、調査した。
我々の調査では、回答者581人のうち、自転車補助椅子を購入したことがあると答えた人は560人(96.4%)にのぼり、そのうち、実に購入した38.8%の(271人)の親が自転車補助椅子に子供を乗せて、怪我をさせた経験をもっていた。これは親の3人に1人以上が自分の子供を負傷させていることである。怪我をさせた回数は1回が126人、2回が58人、3回が26人、それ以上の人もいた。
 負傷時の状況は、走行中42.2%(148件)、停車中32.2%(113件)、押し歩き7.7%(27件)、急停車6.0%(21件)、発進時12.0%(42件)であり、自転車を押して歩いていたにもかかわらず、事故が生じていることは注目に値する。実際、前述の急性硬膜外血腫の症例も母親は押して歩いていて事故を起こしていた。
 転倒した原因としては、障害物に接触13.7%(48件)、スタンドを立て止めていた自転車ごと転倒14.2%(50件)、運転者が誤って転倒44.2%(155件)、子供の足が車輪に巻き込まれた6.0%(21件)であった。
スタンドをたてて自転車を止め、目を離したすきに転倒するという事故も多く、保護者の不注意、怠慢があらためて浮き彫りとなった。
(後略)

自転車補助椅子に関連した乳幼児頭部外傷(論文より抜粋)

 ん?

スタンドをたてて自転車を止め、目を離したすきに転倒するという事故も多く、

 これは、以前読売で報じられていた、おむつ交換台のニュースでも似たようなことがあったような。ヨミダス文書館より。

2008. 02. 11
おむつ交換台から転落続発、100件超 警告表示徹底されず/経産省推計
東京朝刊 社会
 デパートや駅のトイレなどに設置されているおむつ交換台で乳児の転落事故が相次いでいる問題で、これまでに大手メーカーが公表した計9件以外に都内だけで約20件の事故が発生していることがわかった。大半が保護者が目を離した間に起きたとみられる。経済産業省は2006年以降、全国で100件以上の事故があったと推計し、メーカーに対して販売先への警告ステッカー配布を徹底するよう指導した。

 子どもはとにかく何するかわからんからね。予防策を徹底するに越したことはない。ちょっとでも目を離すなんてのは論外。自転車3人乗りについていえば、上の報告を見ると、決して安全とは言えないんでないの?
 そういう現状があるのなら、法を犯して、あるいは危険を冒してまで自転車(二輪車)に乗るよりは、3人乗車対応の三輪車に乗り換えるとか、同じ保育園内の他の子どもの親を引き連れて、保育園と相談するというのがいいんでないのかな。
 ケガしたらバカらしいよ。死亡例もあるようだし。
追記)言葉ってのは不思議なもんで、使い方一つでその印象は大きく変わってくる。
 だから、この件に限らず、言葉の使い方には注意すべき、と考えるのだが、マスコミの中ではそれほど重く受け止められていないように見える。NIKKEI NETより。

自転車3人乗り容認を検討・警察庁、「専用車」開発前提に
 警察庁は幼児2人を乗せた3人乗り自転車の走行を容認する方向で検討に入った。安全に走行できる自転車が開発されることが条件で、同庁は4日、自転車協会などの関係団体に安全性を確保した自転車の開発・普及を要請した。

自転車3人乗り容認を検討・警察庁、「専用車」開発前提に

 3人乗りできる自転車開発を前提として、3人乗りを容認する方向へ検討中であるということ。
 対して、TBS。

「自転車3人乗り」、容認方向で検討
 幼い子供を自転車の前と後ろに乗せて走る「3人乗り」について、警察庁が、安定した走行が出来る自転車の開発を条件に、容認する方向で検討していることがわかりました。

「自転車3人乗り」、容認方向で検討

 「専用車開発」という前提条件が見出しに記されていないため、見出しだけ見れば、あたかも全ての例において3人乗りを容認するかのように読める。
 こういう実例があるから、“言葉のプロ”であるべきマスコミが信用できなくなる。
 特にテレビは信用できない。だから、診療中患者さんから、「このあいだテレビで○○って言ってたけど、どうでしょう」と聞かれることがよくあるが、私は必ず、「あんなのはね、8割方ウソだから、んなもんに惑わされずに、私の言うことをきちんと守って…」と言うことにしている。
 また、昨日の文中に“3人乗車対応の三輪車”ってさらりとあげたが、現状、公道を走れるものでそのような自転車はないだろう。昨日記事をあげた中にあげた三輪車も3人乗車対応ではないはず。なので、文中からは削除した。
(2008年3月5日 6:29追記
 以下は記事。
 まずJ-CASTニュース

「自転車3人乗り」禁止 幼児持つお母さん猛反発
2008/2/28
幼児を前後に乗せる自転車の「3人乗り禁止」が、08年春にも明文化されることに、小さい子供を持つ親が大反発している。特に東京は保育園への車での送迎が原則禁止されているため、「生活が不便になる」「子供一人を家に残していけない」「子育て支援に逆行する」という悲鳴に似た声が聞こえる。しかし、警察庁は交通安全を考えれば当然のこと、としており、この騒動は簡単に収まりそうに無い。

違反であっても「見逃されてきた」

自転車は何人乗りが適切なのか
警察庁は「交通の方法に関する教則」を約30年ぶりに改正するにあたって、自転車については、補助椅子を使ったとしても3人乗りは「できない」などと明文化する方針だ。違反した場合は「2万円以下の罰金または科料」にするという。早ければ08年春に、遅くても08年6月19日までに実施される計画だ。もともと3人乗りは禁止で、特例として、ひもを使って1人をおんぶし、補助椅子に1人を乗せて運転することは認めている自治体もある。ただ、荷台を使って前後に乗せた3人乗りについては、違反であっても「見逃されてきた」経緯がある。

3人乗り禁止について、親たちから反対の意見が多く出ている。

「赤ちゃんを寝かせて外出するのと、母親が責任を持って自転車で一緒に行動するのと、どちらが危険なことでしょうか」(朝日新聞08年1月19日付け、『声』)
「どうやって保育園に送ったら? 少子化対策子育て支援に逆行します」(東京新聞08年2月11日付け、『応答室だより』)
産経新聞の08年2月26日付けの大阪版には東京在住の女性会社員(33)の意見が掲載された。

「2、3歳の子供は歩くより、自転車に乗せたほうが、まだ安全。(政府は)少子化で子供をつくれ、つくれというけど、子供が2人以上になったら、自転車にも乗れないなんて…」

3人乗り容認を求めて徹底抗戦する
NPO団体「OTA子育て支援ネットふぼれん」(東京都大田区)は、3人乗りの禁止について「断固反対!」の立場で、その趣旨を会員250人にメールで伝えた。菅野司事務局長はJ-CASTニュースの取材に対し、子育てをしたことがない、自転車に乗っていない人が作った法律に思えてならないと見る。

「保育園に子供を預けるお母さん達は平均3人の子供を生んでいる。都内は車での送り迎えが原則禁止のため、3人乗りになってしまうのが普通。これでは、まるで2人目の子供を作るな、と言っているようなもの。危険なのは子供を自転車に乗せたまま親がその場を離れることで、それに気を付ければ3人乗りは危険だとは言えない」
3人乗り容認を求めて徹底抗戦するつもりなのだという。

警察庁には3人乗りの禁止について多くの問い合わせが来ている。ただ、考えを変えるつもりはないようだ。

「子供を一人家に残していけばいいのか、などと様々な意見が来ています。でも、3人乗りは元々違反行為ですからね。『3人乗り、4人乗りをしている親がいて危ない』という市民の声もありますからね」

 つぎ、読売新聞。

2008. 02. 11
おむつ交換台から転落続発、100件超 警告表示徹底されず/経産省推計
東京朝刊 社会
 デパートや駅のトイレなどに設置されているおむつ交換台で乳児の転落事故が相次いでいる問題で、これまでに大手メーカーが公表した計9件以外に都内だけで約20件の事故が発生していることがわかった。大半が保護者が目を離した間に起きたとみられる。経済産業省は2006年以降、全国で100件以上の事故があったと推計し、メーカーに対して販売先への警告ステッカー配布を徹底するよう指導した。

 東京消防庁では06年4月〜昨年11月、都内で少なくとも12件の事故発生を把握しているが、いずれも昨年10月にメーカーが公表した9件とは別だった。このほか同じ期間に、病院搬送時には「ベビーシート」などと記録されているが、状況からおむつ交換台と推測される事故も約10件あった。このうち3件は経産省が注意喚起を始めた昨年8月以降に起きていた。
 事故の大半は頭側の縁が低いタイプの製品で発生。保護者が手を洗ったりしている間に、生後8〜12か月で動きの活発な乳児が足で台をけってずり上がり、頭から転落するケースが目立った。おむつ交換台は床から70〜80センチの高さがあり、頭の骨を折った事故も起きている。
 現在販売されている製品は転落防止のため縁を高くしているが、「事故多発型」は現在も約4万5000台が設置されている。
 おむつ交換台は「業務用製品」と位置づけられ、専ら家庭で使用されるものとは違い、メーカーに国などへの事故報告は義務付けられていない。保護者が自責の念にかられて、メーカーに連絡しないことも多く、事故情報は十分に集約されていないという。
 同省は昨年6月、被害者の親からの通報で事故が起きていることを知り、おむつ交換台の大半を販売するTOTO(福岡)とコンビウィズ(東京)に再発防止策を求めた。両社はこれを受けて、販売先の施設などに「子供から目を離さない」などと書かれた警告ステッカーの配布を始めた。
 しかし、流通経路が複雑でなかなか徹底しないうえ、ステッカーも見てくれが良くないと思いのほか不評。ステッカーの張り付けを渋る施設が多く、昨年末の段階では空港や駅でさえ大半でステッカーは張られていなかった。
 同省製品安全課では、「都内の発生状況からみて全国では100件以上の事故が起きていると推計される」としており、先月下旬にステッカー配布を急ぐよう両社を指導。JR各社などにも張り付けの徹底を要請した。
 同課では、「製品自体に欠陥があるわけではなく、大半の事故は保護者の目配りで防止できるはず」と、注意を呼びかけている。

 NIKKEI NET。

自転車3人乗り容認を検討・警察庁、「専用車」開発前提に
 警察庁は幼児2人を乗せた3人乗り自転車の走行を容認する方向で検討に入った。安全に走行できる自転車が開発されることが条件で、同庁は4日、自転車協会などの関係団体に安全性を確保した自転車の開発・普及を要請した。
 道路交通法に基づく各都道府県公安委員会規則では、自転車に乗せられる幼児は1人とされている。また同庁が昨年末まとめた自転車の安全な通行方法を検討する有識者懇談会の報告書でも、「自転車の前後に幼児を乗せることは違法で危険でもあるため1人とすることを周知すべきだ」と明記された。
 しかし、保護者からは自転車が利便性の高い交通手段で「幼児2人を乗せて移動しなければならないときもある」として容認を求める声が上がっていた。(04日 14:23)

 TBS。

「自転車3人乗り」、容認方向で検討

 幼い子供を自転車の前と後ろに乗せて走る「3人乗り」について、警察庁が、安定した走行が出来る自転車の開発を条件に、容認する方向で検討していることがわかりました。

 自転車の前と後ろに6歳未満の子供を乗せる「3人乗りは」、元々、道路交通法で禁止されています。

 警察庁では、この3人乗り禁止の周知徹底を図るため、「交通の方法に関する教則」を来月中に改正し、「幼児を乗せる場合は1人までであること」と明文化することにしていました。

 しかし、幼児を持つ母親から反発が強いことを受け、警察庁は、幼児2人を乗せてもハンドルがぶれず、安定した走行ができる自転車の開発を条件に、3人乗りを容認する方向で検討していることがわかりました。

 「自転車側で何かうまい方法はないかと。例えば重心を下げるとか、あるいは危険防止の対策の方法は何とかとれないかと(考えている)」(泉信也国家公安委員長

 警察庁では4日午前、新たな自転車の開発について、自転車の業界団体に要請文を提出しています。(04日10:51)