故人とその家族の思いはどうだったのか。

 その人が成したこと、あるいはやってしまったことは別にしての話。YOMIURI ONLINEより。
しめやかに松岡農相の密葬…熊本・阿蘇

しめやかに松岡農相の密葬…熊本・阿蘇
 自殺した松岡利勝農相(62)の密葬が30日午後、地元の熊本県阿蘇市の浄信寺で営まれ、安倍首相夫人の昭恵さんや的場順三官房副長官潮谷義子知事、自民党県連幹部、支援者らが参列した。
 昭恵さんは「行動力あふれる仕事ぶりは私たちを勇気づけ、功績は語り継がれると確信しています。安らかにお眠り下さい」と安倍首相の弔辞を代読。喪主で妻の初美さん(60)が「首相の弔辞で認められ、満足していると思います」とあいさつした。
 午後1時半過ぎに出棺、参列者は手を合わせて、市内の火葬場へ向かう車を見送った。境内にはたくさんの献花が並び、焼香に訪れる人が相次いだ。
 自民党と後援会は後日、合同告別式を営む予定。

 密葬。亡くなった人を送りたいがあまり大っぴらにしたくないときにこういう形式をとる、と認識している。
 Googleで「密葬」で検索(google:密葬)してみると、葬儀社のサイトでの解説が多く出てくる。詳しくはそちらを参考にしていただくとして、おおまかな意味としては、Wikipediaより。

密葬(みっそう)とは、死者の家族やごく近しい親類・友人のみで小規模に行われる葬儀のこと。規模は規定されていないので、500人規模の密葬もあれば1人しか会葬者の居ない式もある。
通常、葬儀を行う場合は新聞に死亡広告を出したり、可能な限りの親類・知人にその旨を連絡し、なるべく多くの人に参列してもらえるようにするべきとされるが、葬儀にあまり予算や人員を割けない時や多数の参列者による混乱を避ける目的などで密葬が選択されることがある。
本来「密葬」は、有名人などの死亡で準備に時間が掛かる大規模な本葬を行う場合に、それに先立って行われる内輪でのものを指していたが、今は単に通常と比べて小規模に行われる葬儀を指してこの言葉が使われている。 芸能人などの場合は、参列者が多くなることによる混乱を避ける目的で密葬で葬られることが多い。この場合、所属事務所関係者などの有志によって別途一般向けの「お別れ会」が催されることもある。

 今回のように自殺した例もそうだろうし、なんといっても人の死に関わること。あまり触れてほしくない、あるいは身内だけでひっそりと執り行いたい場合もあるだろう。しかし、この場合、どう見ても普通の葬儀のようにしか見えない。
 Googleで挙がったサイトをざっと見たかぎりでは、密葬の厳密な方法は決まっていないようなので、形式をどうこう言うことはできないと思うが、たとえば、今回のように、弔辞を、身内ではない、いわば上司の奥さんが代読するというような、あまり意味のないことが密葬の中の1イベントとして入ってくるというのは、密葬としてどうかと思う。
 私が葬儀の形式をどうこういえる立場ではないが、今回の密葬に家族の意向がどれだけ入っているのか。周囲がいらぬことを言って、密葬という名の大葬儀になってしまったのではないだろうか、と余計な心配をしてしまう。
 マスコミ各社も「密葬」の意味をわかって使っているのだろうか。