主要閣僚に聞く(1)〜舛添要一氏

 そのヒトの思うところをどう引っ張り出してくるか、こういうインタビューの場合は特には聞き手の力量にかかってくる。この場合、多くの時間もとれないんだろうしね。今日の読売新聞より。

主要閣僚に聞く(1)
年金問題命がけでやる
舛添要一 厚生労働相

 やはり年金問題への対策を中心に話を聞いていて、正直つまらない。肝心の社会保障費に関しては、抑制の具体策について。

 ―来年度予算編成で、社会保障費の2200億円の抑制の具体策は。
 「一つは来年度の薬価改定で薬価を引き下げる。また、価格の安いジェネリック(後発医薬品)の利用を促進する。そして、大企業の健康保険組合と共済組合と、中小企業の政府管掌健康保険が(資金を)助け合うようにして、国の負担を減らす。この三つで2200億円を捻出したい」

 立場上致し方ないのかも知れないが、抑制まずありきの回答。また、医師不足医療崩壊への具体的対策の明言はない。
 マスコミとしては、医療崩壊にあまり興味もなかろうし、年金問題を聞いたほうがウケも良かろう、と考えているに違いない、と読者として勝手に考えると、この記事、聞き手も悪いんじゃねえか、と思う。
追記)いい訳がましいが、年金問題を“つまらない”と評したことについて。
 年金問題は、普通にやっていれば、本来起こらないはずのことが、社保庁の不手際で起こった不祥事。これはあらゆる策を講じて解決するのが当たり前の話で、それをメインの政策として持ってくるのはおかしいと常々考えている。医療・介護の問題も含めて、他に手を付けなければならない話がたくさんあるはず。そういった意味で、記事中、まず年金問題を聞いていることに興味が持てず、つまらないと評した。
(2007年8月29日 11:28追記
 以下は記事。

主要閣僚に聞く(1)
年金問題命がけでやる
舛添要一 厚生労働相
 ―政府の年金問題への対応を批判してきたが、厚生労働相に就任した理由は。
 「先の参院選はまさに"年金選挙"だった。街頭演説で、『最後の一人まで確実に(記録を結びつけるように)取り組む』と約束してきたため、非常に重要かつ困難と考えられる厚生労働相のポストに就任することを承諾した」
 ―年金記録漏れ問題への対応への意気込みを。
 「以前から、毎日のように『年金がもらえないと生きていけない』という切実な手紙をもらっていた。その人たちの気持ちになって、命がけでやりたい」
 ―社会保険庁の対応の遅れで、政府が示したスケジュール通りに年金記録問題への対応が進まないとの指摘がある。
 「抜き打ち視察に出て、すぐに社保庁に対して資料を出せとやってもいい。(社保庁職員の)サボタージュは許さない。スケジュール通りやらないのは、公務員として最悪だ。当然、首切りの対象にする」
 ―民主党が年金保険料流用禁止法案を提出し、保険料の事務費への使用に反対している。
 「民間の保険会社は、集めた保険の掛け金から、社員の給料もみんな出している。年金の運用にかかわる事務的なものは、保険料から払ってもいい。年金記録を、80円切手を張って通知する時、1億人に出せば80億円だ。これを一般財源から出すのは反対だ。ただ、保険料でマッサージ機を買うなど、くだらないことへの流用は一切やらせない」
 ―来年度予算編成で、社会保障費の2200億円の抑制の具体策は。
 「一つは来年度の薬価改定で薬価を引き下げる。また、価格の安いジェネリック(後発医薬品)の利用を促進する。そして、大企業の健康保険組合と共済組合と、中小企業の政府管掌健康保険が(資金を)助け合うようにして、国の負担を減らす。この三つで2200億円を捻出したい」
 ―安倍首相は柳沢伯夫厚労相に、原爆症認定基準の見直しを指示したが。
 「私には、首相から具体的な指示はない。専門家による検討の場を設け、国の立場で何かできないか検討したい」
 ―厚労相というポストにプレッシャーは感じるか。
 「内閣改造前は、議員仲間と.『厚労相をやる人なんているのか』と冗談を言っていたくらいだ。大変なプレッシャーを感じるが、国民の目線に立って仕事をするという原則は忘れずに、結果を出していきたい」