しょせんワイドショーなんだけれども、ほっといていいものなのかなぁ。

 ネタは、いつもおジャマしています、「へなちょこ内科医の日記(当直日誌兼絶望日誌)」の「アフリカ...」から。
 ワイドショー。テレビの一番いやなやり口が見えてくるような、そんな番組。コトの真偽はともかく、とにかくセンセーショナルに報道…報道番組じゃないんだよな、えー、放送することを第一とするものと認識している。
 そんな番組は、例えば、録画して、あとで見るほどのものではないだろうし、記録を残して、それを読み返すようなもんだとは思っていなかった。でも、あるもんだね、そんな番組の記録を残しているサイト。
 J-CAST テレビウォッチの中の、ワイドショー通信簿というサイトがそれ。
 医療サイドとしては放置でいいんだろうけど、実際見ているのは主婦層だろうし、そういった方々が病院の患者さんとしても来たりするわけだからね。少なからず影響はあるでしょ。局に抗議しても無視するだけだろうけど。
 今回の奈良の妊婦死産の件。テレビは見てないけど、ワイドショーでは大騒ぎしたようで、記事を見てがっくり。もう「たらい回し」使いまくり。
 まず、とくダネ!

医療ジャーナリストの伊藤隼也氏は電話で「この件は県立医大に問題がある。でも奈良は2度目でしょう。何とかしてやろうという人間がトップに立っていない。救急隊員にも(医療機関に)遠慮があるし、システムも理解していない・・・」。小倉が「だからすぐ大阪になるわけか」。「そう。でもアフリカの奥地じゃないんだから・・・」と伊藤はいう。
眞鍋かをりは「救急車に乗ってもまだ安心できないとなると、何を信用していいのか」。
(中略)
手術が本当に行われていたのか。もう終わっただろうとは考えなかったのか。「新聞だねになりますよ」と一言いう、あるいはもっと大騒ぎをするとか。詰まるところは、現場の意識か――。

 「「新聞だねになりますよ」と一言いう、あるいはもっと大騒ぎをする」…脱力。
 つぎ、スーパーモーニング

また出産をめぐり病院タライ回しの悲劇が繰り返された。11病院に拒否されたあげくに、救急車が不運にも交通事故に遭遇、流産した悲劇を取り上げた。「救急体制に不備はなかったのでしょうかね?」(赤江珠緒キャスター)。
報道によると、橿原市の消防の問い合わせに対し「処理中」「満員」との理由で、11の病院が受け入れを「拒否」した。
しかし中には、最初に問い合わせを受けた奈良県立医大病院のように、産婦人科には空きベッドあった、というケースもあった。さらに一般救急を原則受け入れていない高度医療を行う大阪府立母子保健総合医療センターも空き病床があったのに「拒否」した。

 ベッドが空いていればなんとかして当たり前とかいう認識はもういい加減やめにして欲しいな。
 あと、妊婦さんについて。(36才だか38才だかどっちがホントかわからんけど)30代後半で、流産の既往があって、妊娠7ヶ月で、それまで産科にはいっさいかかってなくて、でも真夜中にスーパーなんか行っちゃったりして…なんてこと、ワイドショーでは報道…いや放送したのかな。そういった事実を抜きにして語っちゃいけないでしょ。
 テレビだからね、目くじら立てずに無視しろっていわれればそれまでだけどね…。

       *'``・* 。 
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       ,。∩      *    もうどうにでもな〜れ 
      + (´・ω・`) *。+゚ 
      `*。 ヽ、  つ *゚* 
       `・+。*・' ゚⊃ +゚ 
       ☆   ∪~ 。*゚ 
        `・+。*・ ゚ 

 以下は記事。

◆ とくダネ!
奈良妊婦「たらい回し」 伊藤「アフリカの奥地じゃないんだから・・・」
2007/8/30
奈良・橿原市で深夜に急激な腹痛を訴えた妊娠中の女性(36)が、救急車を呼んだ。救急車は8分後に到着したが、搬送先探しでなんと9つの病院に断られたあげく、40キロも離れた大阪の病院に向かったが、途中女性は破水し、3時間2分後病院に入ったときには、女性はすでに流産していた。
レポーターの大村正樹が「3時間2分は、新幹線ののぞみなら、東京から岡山へ行ける時間」といった。奈良では昨夏にも分娩中の32歳の女性が緊急事態になったが、19もの病院に断られたあげく、亡くなっている。なぜまた、奈良なのか?
女性が倒れたのは、スーパー駐車場だった。通報は午前2時44分、救急車はすぐに到着した。問題なのは、ここからである。
救急車は「情報システム」から奈良県立医大付属病院を検索、ところが「1分前に妊婦が搬送されたからだめです」。そこで救急隊員は奈良をあきらめたのか、大阪の病院に次々打診、9病院に断られたあと、高槻市の病院のOKを取った。
ここまでが1時間半。報道では「たらい回し」というが、救急車はスーパーの駐車場に止まったままだった。この間、奈良の救命センターにも連絡したが、「治療の対象ではない」。あるいは、1時間半後にはもう県立医大の手術は終わっていたかも――あきらめのいい救急隊員でもあったようだ。
医療ジャーナリストの伊藤隼也氏は電話で「この件は県立医大に問題がある。でも奈良は2度目でしょう。何とかしてやろうという人間がトップに立っていない。救急隊員にも(医療機関に)遠慮があるし、システムも理解していない・・・」。小倉が「だからすぐ大阪になるわけか」。「そう。でもアフリカの奥地じゃないんだから・・・」と伊藤はいう。
眞鍋かをりは「救急車に乗ってもまだ安心できないとなると、何を信用していいのか」。
産婦人科の不備、医師、看護婦、助産師不足、訴訟を怖がって敬遠気味の気分・・・それもあるだろう。だが、手段についてはまだ頭をめぐらす余地はあったような・・・
手術が本当に行われていたのか。もう終わっただろうとは考えなかったのか。「新聞だねになりますよ」と一言いう、あるいはもっと大騒ぎをするとか。詰まるところは、現場の意識か――。
ヤンヤン

スーパーモーニング
病院「たらい回し」で流産 赤江「救急体制に不備はなかったの?」
2007/8/30
また出産をめぐり病院タライ回しの悲劇が繰り返された。11病院に拒否されたあげくに、救急車が不運にも交通事故に遭遇、流産した悲劇を取り上げた。「救急体制に不備はなかったのでしょうかね?」(赤江珠緒キャスター)。
報道によると、橿原市の消防の問い合わせに対し「処理中」「満員」との理由で、11の病院が受け入れを「拒否」した。
しかし中には、最初に問い合わせを受けた奈良県立医大病院のように、産婦人科には空きベッドあった、というケースもあった。さらに一般救急を原則受け入れていない高度医療を行う大阪府立母子保健総合医療センターも空き病床があったのに「拒否」した。
それぞれ拒否の理由を挙げるのだが、いずれも欠けているのは、病院、医師ほんらい自覚すべき、命にかかわる患者への基本的な責任。とくに呆れたのは、深夜にかけずり回って病院探しをしている「救急患者」に「一般救急は受け入れていない」という大阪府立母子保健総合医療センターの紋切り型の対応だ。
鳥越俊太郎は「小児科、産科はなり手がない。地方に行くほど医師が少ない状態が全国で起きている。また産科は安産で産まれればハッピーだが、トラブルが起きると地獄。医療過誤民事訴訟になる」と。
確かに医者も人の子だ。昨今の「市場経済主義」「勝ち組志向」を煽った小泉政権時代の弊害が残り、需要があって儲かる大都市へ、深夜作業のない楽な分野へと医師が集中するのもわかる。
が、救急医療に同じ熱意を持っているハズの「救急現場」と「医療現場」の間でこうも意思疎通がないのでは医療は成り立たない。
モンブラン