そろそろ「対岸の火事」では無いことをわかっていただきたい。

 いつもおジャマしとります、「産科医療のこれから」、「出産難民は、未受診妊婦から」より。
 日本国中どこでも、医療従事者・医療機関をたたいている場合では無いということをわかっていただきたい記事。しかし、タイトルでは病院が悪者です。
妊婦救急受け入れ、大阪の19病院が「満床」理由に拒否
ウェブ魚拓

 大阪市で昨年7月、市消防局に救急搬送を依頼した30代の妊婦が「満床」などを理由に19病院で受け入れを断られ、病院が見つからないまま自宅で出産していたことがわかった。
 市消防局によると、昨年7月24日午後8時ごろ、臨月を迎えた大阪市内の女性が腹痛を訴え、自宅から119番通報。救急車は自宅近くで女性を収容したが、かかりつけの産科医がいなかったため、救急隊員が大阪府救急医療情報システムのパソコン端末で病院を探すなどして、車内から電話で病院に受け入れを要請した。

 ついでに見つけた記事。同じくYOMIURI ONLINEより。
仙台でも妊婦たらい回し、昨年2月に18か所目で収容
ウェブ魚拓

 仙台市内で昨年2月、救急車で夜間に搬送された10歳代の妊婦が、電話での受け入れ要請を断られ、約2時間後、18か所目の病院に収容されていたことが7日、わかった。
(中略)
 市消防局は、「妊婦にはかかりつけの病院がなく、当時はどこの病院も込み合っていた」としている。断られた病院にも要請し続け、ようやく受け入れ先が決まった。

 いつでも24時間、救急車を呼べば、どんな患者、妊婦であろうと必ず無事にコトが済む(無事に生まれる)。そんなことはありません。奈良で起こったようなことは日本全国どこでも起こり得ます。
 僻地の産科医先生のページから、勝手ながら引用いたします。

医療崩壊はすでにはじまっています。


医療が崩壊するとき、一番脆弱なところから崩れます。

        

  
患者さん側ならば、

『適切な医療アクセスを怠る患者さん』から

医療側からでは

『労働時間ではないとされるボランティアの当直』から。

 

夜間救急も、夜間分娩もすべて、医師の夜間勤務は自由意志であり、
労災の対象にもならないことがほとんどです。
昨日は中原先生の記事がでていましたけれど、日本の医療の現状です。

システムが壊れる時は、脆弱な部分から壊れるのが基本です。

 医療崩壊と言われて久しいですが、そこをなんとか労働基準法を無視して持たせてきたのが現状です。しかし、もう崩壊は始まってしまいました。表出してしまいました。
 「たらい回し」「拒否」などとセンセーショナルに書いている場合ではありません。国民全体で医療を考えるときです。
 以下は記事。すべてYOMIURI ONLINEより。
 大阪。

妊婦救急受け入れ、大阪の19病院が「満床」理由に拒否
 大阪市で昨年7月、市消防局に救急搬送を依頼した30代の妊婦が「満床」などを理由に19病院で受け入れを断られ、病院が見つからないまま自宅で出産していたことがわかった。
 市消防局によると、昨年7月24日午後8時ごろ、臨月を迎えた大阪市内の女性が腹痛を訴え、自宅から119番通報。救急車は自宅近くで女性を収容したが、かかりつけの産科医がいなかったため、救急隊員が大阪府救急医療情報システムのパソコン端末で病院を探すなどして、車内から電話で病院に受け入れを要請した。
 しかし、各病院から「ベッドの空きがない」などの理由で断られ続けた。その間、救急車は自宅近くに止まったままで、女性はいったん戻った自宅で陣痛が激しくなり、出産した。救急隊員が介助したという。その後、20番目の病院が受け入れることになり、救急要請から約2時間15分後、搬送された。母子ともに健康に問題はなかったという。
(2007年9月7日14時32分 読売新聞)

 仙台。

仙台でも妊婦たらい回し、昨年2月に18か所目で収容
 仙台市内で昨年2月、救急車で夜間に搬送された10歳代の妊婦が、電話での受け入れ要請を断られ、約2時間後、18か所目の病院に収容されていたことが7日、わかった。
 搬送時の死産や流産などの事故はなかった。
 市消防局は、「妊婦にはかかりつけの病院がなく、当時はどこの病院も込み合っていた」としている。断られた病院にも要請し続け、ようやく受け入れ先が決まった。
 市消防局では、奈良県橿原市で先月、搬送中に病院から収容を断られた妊婦が死産した問題を受け、昨年、市内で搬送した産科患者について調査した。
(2007年9月7日23時14分 読売新聞)