「高齢者負担増」見直しと「定年退食」再び。

 ちょっとブログとSNSから離れていた。
 世間は総裁選に話題が集中。でも、読売なんか最初っから福田氏で決まりのような書き方してんじゃん。なんであんなに騒ぐのか。
 そんな中、参院選で大敗したこともあり、ばれたら自分ところの人気がやばくなることから手を付け始めているようで。YOMIURI ONLINEより。
高齢医療の負担増を凍結、与党が法案提出へ
ウェブ魚拓

 厚生労働省によると、高齢者の窓口負担を2割に引き上げることで、約1200億円が高齢者の自己負担増になると試算されている。凍結すれば1200億円分を保険料と税金で賄うこととなり、税負担分に相当する約500億円は国の負担となる見通しだ。
 また、現在はサラリーマンの子どもらの扶養家族で、保険料負担がゼロの75歳以上の高齢者は、来年4月から年2万円程度の保険料が新たに必要となる。こうした条件を満たす75歳以上は約200万人いるとされ、凍結すれば本来は入ってくるはずの保険料約400億円分を、国の負担で穴埋めすることになる。
(中略)
 負担増の凍結は、福田氏が政権公約で「高齢者医療費負担増の凍結を検討」としているのに加え、公明党が20日にまとめた連立政権協議の要求にも「負担増・格差の緩和」として盛り込まれている。
 次の衆院選をにらんだものと見られるが、医療費負担の凍結などは財政再建目標の先送りに直結しかねないため、「ばらまき型政治の復活」との批判も出そうだ。

 次の衆院選の話までもう出てきている。イヤだねぇ、選挙選挙。
 いずれにしても、どこかで埋め合わせをすることになる。現状でも医療従事者は充分に疲弊している。それをさらに加速させていくことになるだろう。
 ところで、「定年退食」。やっと手に入った。コレ。

 以前取り上げた際にいただいたコメントの中から、山口(産婦人科)さんによるあらすじがわかりやすかったので、本編のセリフとあわせて引用させていただく。
(以下引用)
 抽選に当たった幸運な(または一部の才能ある)高齢者をのぞき、一定年齢以上は食事の配給が減る。もちろん医療の恩恵も制限される。
 さらに人口増加が続き、首相が非常事態を宣言する。

本日…ここに……このような声明を…私の深く遺憾とする所であります。
健康にして文化的な生活、これは憲法に定められましたる大前提であります。
われわれはこれを「定員法」制定により現実のものとし、今日に至りました。
しかるに……みなさん御承知の如く、昨今の食糧事情の急速なる悪化…
ついに…この定員法を大幅に縮小の止むなきに至ったのです。
一次定年を56歳とします。それ以上の生産人口をわが国は必要としません。
二次定年を57歳から72歳までとします。それ以上の扶養能力をわが国は持ちません。
73歳以上のかたがたは本日をもって定員カードの効力を失うものとします。
年金、食糧、医療その他一切の国家による保障を打ち切ります。


情において忍び難きこと他言を要しません。しかし……
現在、人類がさらされております未曾有の危機に思いをいたせば……
氷の如く冷徹なる理性的行動!
今や、それだけが人類を救う唯一の道なのであります。
二次定年をこえられたかたがた、あなたがたの運命はやがてはわれわれのものであるのです。
各位、御自愛あって一日も長く……実り多い人生を全うされんことを……祈ります。

というわけで医療はもちろん、食糧の配給すら高齢者には無くなる。
ベンチを譲らない若者に怒る友人を諭して主人公曰く、
「ワシらの居場所はどこにもないのさ・・・」
(引用終わり)
 一国の政府が国民を切り捨ててしまうという世界。後期高齢者医療制度はそういう世界に近づきつつあるのかな、といった印象があったのだけれども、とりあえずの凍結。
 さて、高齢者、医療従事者はどうなっていくのやら。
 以下は記事。

高齢医療の負担増を凍結、与党が法案提出へ
 政府・与党は20日、2008年4月から予定していた高齢者医療費の窓口負担の1割から2割への引き上げなど、国民の負担増や給付削減につながる医療・福祉政策を凍結する方針を固めた。
 早ければ今国会に議員立法で凍結法案を提出し、成立を目指す。参院選での与党の惨敗を受け、弱者に配慮した政策が不可欠と判断した。凍結に伴う国の財政負担は1000億円前後に上るとみられる。
 この方針は、自民党総裁選に立候補している福田康夫・元官房長官に近い自民党筋が明らかにした。
 政府・与党が凍結対象としているのが、〈1〉低所得者も含む高齢者(70〜74歳)の医療費の窓口負担を現行の1割から2割へ引き上げ(健康保険法)〈2〉75歳以上の高齢者向けの医療保険制度の創設に伴い、75歳以上の一部に発生する新たな保険料負担(高齢者医療確保法)〈3〉母子家庭への児童扶養手当を一部削減(児童扶養手当法)――などだ。〈1〉と〈2〉は06年6月、〈3〉は02年11月に改正法が成立し、来年4月からの実施が決まっている。与党は議員立法で改正法案を成立させ、実施を中止するか先送りする方針だ。
 厚生労働省によると、高齢者の窓口負担を2割に引き上げることで、約1200億円が高齢者の自己負担増になると試算されている。凍結すれば1200億円分を保険料と税金で賄うこととなり、税負担分に相当する約500億円は国の負担となる見通しだ。
 また、現在はサラリーマンの子どもらの扶養家族で、保険料負担がゼロの75歳以上の高齢者は、来年4月から年2万円程度の保険料が新たに必要となる。こうした条件を満たす75歳以上は約200万人いるとされ、凍結すれば本来は入ってくるはずの保険料約400億円分を、国の負担で穴埋めすることになる。
 児童扶養手当(所得に応じて月9850円〜4万1720円)の見直しは、5年を超えて受給する母子家庭への手当を一部削減するというもの。政府は、具体的な削減幅は年末に政令で定める予定であるため、現時点では凍結による国の財政負担額は不明だ。
 福祉サービスに対して原則1割の自己負担を求めている障害者自立支援法については、「負担が重すぎる」という声が根強いことから、負担軽減につながる見直しを目指す考えだ。
 負担増の凍結は、福田氏が政権公約で「高齢者医療費負担増の凍結を検討」としているのに加え、公明党が20日にまとめた連立政権協議の要求にも「負担増・格差の緩和」として盛り込まれている。
 次の衆院選をにらんだものと見られるが、医療費負担の凍結などは財政再建目標の先送りに直結しかねないため、「ばらまき型政治の復活」との批判も出そうだ。
(2007年9月21日3時1分 読売新聞)