“ボクは「君たち、労働環境改善しといてね」と言ったからね”ということだよな。

 先のエントリーで触れた、厚労省が各都道府県にあてた、病院勤務医の労働環境改善を求める通知。
 これを、江原朗先生経由で入手できたので、ここに紹介する。
 全文は以下に。PDFファイルはココ

医政発第0321001号
保発第0321001号
平成20年3月21日
都道府県知事 殿


厚生労働省保険局長


病院勤務医の労働環境改善の推進について


 近年、病院に勤務する医師については、若年・中堅層の医師を中心に極めて厳しい勤務環境に置かれており、病院勤務医の勤務環境の改善は喫緊の課題である。
 このため、医師以外の医療関係職種との適切な役割分担の推進や、医師個人に負担がかからない柔軟性のある勤務体制の検討に努めるなど、病院勤務医の負担軽減や快適な職場環境の整備に向けて積極的な取組がなされることが重要である。
 以上を踏まえ、現在、厚生労働省において示している病院勤務医の労働環境改善に関する取組について以下のとおり取りまとめた。
 貴職におかれては、これらの内容について十分に御了知頂き、併せて、貴管下内の保健所設置市、特別区医療機関、関係団体等に周知し、これらを活用した病院勤務医の労働環境改善のための取組が推進されるよう努められたい。



1 医師確保対策の推進について
 平成20年度予算案において、「医師確保対策の推進」の中に「小児科・産科をはじめとする病院勤務医の勤務環境の整備等」として、①医師交代制勤務導入等による勤務環境の整備、②産科医療機関への支援、③助産師の活用、④小児救急病院における診療体制の確保等を盛り込んでいる。
 各都道府県においては、平成20年度予算案における「医師確保対策の推進」の各種事業を活用することにより、病院勤務医の労働環境改善が進められるよう支援に努められたい。


2 「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」について
 昨年12月末に、「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」(平成19年12月28日医政発第1228001号)(別添1)を発出したところであり、当該通知を踏まえ各都道府県におかれては、各病院内が適切な役割分担を進め、よりー層病院勤務医の労働環境が改善されるよう支援に努められたい。


3 平成20年度診療報酬の改定等について(別添2)
 平成20年度診療報酬改定においては、病院勤務医の負担軽減を緊急課題と位置付け、産科・小児科、救急医療に対する重点的な評価や地域の急性期医療を担う病院における医師事務作業補助者の配置に対する評価を行うこととしている。さらに、①ハイリスク妊産婦の管理に関する評価、②地域の中核となる病院の入院機能に対する評価、③地域の急性期医療を担う病院における医師事務作業補助者の評価を行うに当たり、勤務医の負担軽減のための計画作成及び職員への周知を要件とすることとしている。
 各医療機関においては、上記の改定の趣旨を十分に認識の上で産科・小児科、救急医療(時間外における十分な人員確保を含む。)をはじめとした病院勤務医の労働環境の改善策を講じられたいが、各都道府県におかれてもその旨御了知されたい。


4 短時間正規雇用医師の活用(別添3)
 平成20年度診療報酬において、病院勤務医の負担軽減に資する計画の例示としても揚げられている「短時間正規雇用の医師の活用」とは、具体的には、フルタイムより所定労働時間が短く基本的に残業がない勤務で、就業時間に比例した待遇を受け、社会保険が適用される働き方を医師が選択できるようにするものであり、育児などの医師個人のライフステージに応じた多様な働き方を可能とすることで、医師の離職を防ぎ、あるいは復職を促進することにより医療機関の医師確保にも資するものである。
 以上を踏まえ、病院勤務医の労働環境改善及び医師確保の観点から、各都道府県におかれては、各医療機関において効果的な「短時間正規雇用の医師の活用」の検討が行われるよう支援されたい。

 江原先生、ありがとうございました。